FX取引のエントリーに種類があるって聞いたけど、他にどんな方法があるのかな?
まず始めに自然と行っているのは成行注文だと思います。他の注文方法も利用することで取引の幅が広がるので、ぜひこの機会に「指値注文」と「逆指値注文」も学びましょう
成行注文・指値注文・逆指値注文について
このページでは、FX初心者向けに「成行注文」「指値注文」「逆指値注文」の3つの注文方法についてそれぞれの特徴と使い方を解説していきます。
これからFX取引を始めるなら、必ず知っておきたい注文方法なので、それぞれの注文方法をしっかり把握するようにしましょう。
成行注文について
それでは、まず「成行注文」について詳しく見ていきましょう。
成行注文とは
成行注文は、現在の市場価格で即座に注文を出す方法です。
FX取引所によっては「クイックトレード」や「プライスオーダー」とも呼ばれます。
その名前が示す通り、瞬時に注文を出すための方法であり、取引手順も非常に簡単です。
取引画面を開くと、通常「買い○○円」と「売り○○円」のボタンが表示されます。
買い注文を出したい場合は買い、売り注文を出したい場合は売りをクリックするだけで、簡単に注文を出すことができます。
成行注文のメリット
「成行注文」は、そのときの価格で注文を出す方法で、取引がすぐに成立するため、素早い注文が可能です。
注文価格に達するまで時間がかかる他の注文方法とは異なります。
例えば、100円の米ドル/円が105円に上昇した場合に、「105円になったら購入する」という注文を出したとします。この場合、105円に達しなければ、注文が成立しません。
しかし、成行注文を使えば、その時点での市場価格で注文が成立します。
つまり、数秒後には取引が完了します。そのため、「今すぐ通貨を買いたい」「今すぐ利益確定や損切りをしたい」といった場合には、成行注文が有効です。
成行注文のデメリット
成行注文には、スリッページのリスクがあることが知られています。
スリッページとは、注文を出したときの価格と実際に取引が成立した価格にズレが生じることを指します。
例えば、米ドル/円が100円のときに注文を出した場合、スリッページが発生すると、100円以外の価格で取引が成立してしまう可能性があります。
スリッページが発生する原因は、主に市場の流動性不足や急激な価格変動によるものがあります。
スリッページによって、本来よりも高い価格で買ってしまったり、本来よりも安い価格で売ってしまったりすることになります。これにより、想定外の損失を被る可能性があります。
スリッページを防ぐためには、注文時にスリッページ幅を設定することが重要です。
スリッページ幅とは、注文価格からどの程度の幅でズレがあっても取引を成立させるかを設定するものであり、設定幅以上のズレが生じた場合は注文がキャンセルされます。
スリッページリスクを最小限に抑えるためにも、スリッページ幅を設定してから取引を行うことをお勧めします。
成行注文を賢く使うコツ
ここからは、「成行注文を賢く使うコツ」について詳しく見ていきましょう。
すぐに決済したい場合
成行注文は、即時に取引を成立させることができるため、急いで取引を行いたい場合には最適です。
他の注文方法を使って取引を決済しようとする場合、注文が約定するまでに時間がかかることがあります。
市場の状況によっては、秒単位での判断が必要になる場合もあります。
一方で、決済まで時間がかかってしまうと、思い通りの利益を得ることができず、損失に変わってしまうことがあります。
しかし、成行注文を使えば、注文を出すと同時に取引が成立するため、希望する価格で決済することができます。
そのため、例えば経済指標発表時など、秒単位での判断が必要な場面では、成行注文を使うことを推奨します。
短期トレードを行う場合
成行注文は、短期的な取引を行う際に有用です。
短期取引では、注文から決済までの時間が非常に重要になります。
成行注文は、瞬時に市場で約定するため、非常に素早い取引が可能です。特にスキャルピングと呼ばれる短期トレードでは、数秒での取引が珍しくありません。
そのため、短期トレードを行う場合は、成行注文を利用することが最適です。
成行注文以外の注文方法を使う場合、注文や決済が時間を要するため、短期トレードには不向きです。
注文が成立するまでのタイムラグやスリッページによって、思わぬ損失を被ることもあります。
そのため、短期トレードを行う場合は、成行注文を優先的に利用することが求められます。
指値注文について
ここからは、「指値注文」について詳しく見ていきましょう。
指値注文とは
「指値注文」とは、自分が希望する価格で注文を出す方法です。要するに、「予約注文」といえます。
例えば、現在の米ドル/円が100円だったとしましょう。
しかし、もう少し安くなったら購入したいと思う場合があるでしょう。その場合に、指値注文を使います。つまり、「米ドル/円が98円になったら1万通貨購入する」という感じです。
このように、指値注文は「現在は購入したくないが、○○円になったら購入したい」という場合に適しています。
指値注文を使うことで、自分の希望する価格で取引ができるため、効率的な投資が可能になります。
指値注文のメリット
指値注文の最大のメリットは、相場の監視を続ける必要がないことです。
トレーダーが欲しい価格を指定して注文を出しておけば、相場がその価格に達すると自動的に注文が実行されるため、指定価格に達するまで待ち続ける必要がありません。
例えば、米ドル/円の現在レートが100円だとして、トレーダーが97円になったら購入したいと考えている場合、成行注文では97円になるまでチャートを見続けなければなりませんが、指値注文では「97円になったら自動的に購入する」という注文を出しておけば、トレーダーがチャートを見ていなくても、自動的に注文が実行されます。
このように、指値注文はトレーダーにとって非常に便利な注文方法の一つと言えます。
特に日中は仕事などでチャートを見られないという方には、非常に有効です。
指値注文のデメリット
指値注文のデメリットの一つは、約定が成立しにくいということです。
指値注文は、ある価格になった場合に自動的に注文が実行されるため、現在のレートよりも有利な価格で注文を出すことができます。
しかし、その一方で指値注文は、約定しづらい傾向にあります。
成行注文では注文した瞬間に約定するため、すぐに取引が開始されますが、指値注文は指定した価格にならない限り、注文が約定されません。
例えば、現在の米ドル/円のレートが100円で、トレーダーが96円で購入したいと考えている場合、指値注文で「96円になったら購入する」という注文を出します。
しかし、レートが96円になる前に、急に大きな経済指標やニュースなどによってレートが上昇してしまった場合、指値注文は約定しづらくなる傾向にあります。
そのため、「指値注文を入れたとしても約定しない場合がある」ということを頭に入れておく必要があります。
また、約定しなかった場合に再度指値注文を出す場合、今度はより低い価格で注文を出す必要があることも覚えておくべきでしょう。
指値注文を賢く使うコツ
ここからは、「指値注文を賢く使うコツ」について詳しく見ていきましょう。
値動きが穏やかな時間帯
指値注文は、レートの変動が比較的小さい時間帯に利用するのが効果的です。
上述したように、重要な経済指標やニュースの発表によって急激に相場が変動すると、指値注文が約定しない可能性があります。
しかし、この現象はレート変動が大きい時間帯でも発生する可能性があります。
それに対して、午前9時から午後3時のように相場が比較的安定している時間帯に指値注文を入れることで、注文が約定される確率が高くなります。
このような時間帯は、株式市場やFX市場で最も活発に取引が行われる時間帯の一つでもあります。
ですから、こうした時間帯での取引は、注文が成立する確率が高く、トレーダーにとって有益です。
長期トレードを行う場合
指値注文は、長期トレードに適していると言えます。
短期トレードでは、迅速な判断が求められるため、指値注文よりも成行注文の方がより適切である場合があります。
しかし、長期トレードでは、急激な価格変動に対して落ち着いて対応する必要があります。そのため、指値注文を使用することで、事前に希望する価格を設定し、長期的な投資戦略を慎重に実行することができます。
また、指値注文は、為替市場が不安定である場合にも有効です。
市場が混乱している場合は、注文を成立させるための約定が困難になることがあります。
しかし、指値注文を使用することで、約定が確実に行われるように設定することができます。
したがって、長期トレードにおいては、指値注文を使用することをお勧めします。
市場の動向に注意を払い、慎重かつ確実な取引を行うことで、安定した利益を得ることができます。
逆指値注文について
ここからは、「逆指値注文」について詳しく見ていきましょう。
逆指値注文とは
「逆指値注文」は、現在よりも高い価格で買い注文を出したり、現在よりも低い価格で売り注文を出す方法です。
一見、自分に不利な価格で注文を出すため、あまり使われないかもしれませんが、実はFXでは指値注文以上に重要な注文方法と言われています。
逆指値注文は、相場が急変した場合に、自動的に取引が行われるように設定されます。
たとえば、買い注文を出しているときに相場が急落し、自動的に売り注文が出されることで損失を最小限に抑えることができます。
逆指値注文は、リスクヘッジのために非常に役立つ注文方法であり、長期投資家にとって特に有用です。
しかしながら、逆指値注文を使う場合は、価格設定を慎重に行い、市場の動向を注意深く見ることが必要です。
逆指値注文のメリット
逆指値注文とは、相場の下落リスクから自分自身を守るために使われる注文方法です。
逆指値注文を使うことで、相場が予想外に下落した際に損失が広がるのを防ぐことができます。
逆指値注文は、基本的には損切りのために使用されます。
例えば、米ドル/円が100円の時に1万通貨購入し、98円のところに逆指値を入れたとします。
もし相場が90円まで下落した場合、逆指値を入れていなければ10万円の損失になりますが、逆指値を入れていた場合は2万円の損失に抑えることができます。
逆指値注文は、自分にとって不利な価格で注文を出すことになりますが、損失を最小限に抑えることができるため、指値注文以上に大事な注文方法と言われています。
自分の資産を守るためには、逆指値注文を使うことが重要です。
逆指値注文のデメリット
逆指値注文にはデメリットもあります。
それは、指値注文と同じく、100%約定するわけではないということです。
相場が急激に動いた場合、逆指値が機能せず、損失が広がり続けることがあります。
そのため、逆指値を設定する際には、相場の動きをしっかりと把握し、必要な保護策を講じることが大切です。
また、逆指値注文を使用する際には、ハイリスクな取引を行わないよう注意することが必要です。
トレーダーがよく「逆指値を設定しておけば借金を負うことはない」と言っていることがありますが、相場の急激な変動によっては、借金を負うほどの損失になることがあります。
そのため、ロットやレバレッジについては、リスクを適切に考慮した上で、慎重に取引を行うことが求められます。
逆指値注文を賢く使うコツ
ここからは、「逆指値注文を賢く使うコツ」について詳しく見ていきましょう。
順張り
逆指値注文は順張りの取引においても利用することができます。
順張りとは、現在の価格が上昇トレンドにある場合に、上昇トレンドに沿って買いエントリーすることを言います。
上手くいった場合、利益を大きく伸ばすことができますが、相場がいつまでトレンドを維持するかは予測できません。
そのため、逆指値注文を予め入れておくことで、トレンドが逆転した場合でも損失を最小限に抑えることができます。
これにより、「損小利大(損失は小さく、利益は大きく)」の取引が可能になります。
ただし、逆指値注文が100%約定することはないため、相場が急激に変動した場合には損失が広がることもあります。
そのため、適切なロットやレバレッジを設定し、リスク管理を行うことが重要です。
レンジブレイク
逆指値注文は、レンジブレイク(レンジ相場の上値、又は下値を突き抜けること)で使うのが良い方法です。
レンジブレイクすると、基本的にはその方向にチャートが進むのですが、必ずレンジブレイクするという保証はありません。そのため、上値・下値付近で反発する場合があります。
レンジブレイクを想定して注文を入れているわけですから、反発すると損失が増えていくことになります。
そこで、逆指値注文を入れることで、ブレイクしなかった場合でも、損失を最小限に抑えられます。
これにより、「損小利大(損失は小さく、利益は大きく)」のトレードが実現できるようになります。
ただし、逆指値注文を使う際には、相場が急変した場合にも対応できるように十分に注意する必要があります。
特にレバレッジを高く設定すると、急激な価格変動により損失が大きく膨らむことがあるため、適切なリスク管理を行うことが重要です。
それぞれの注文方法を賢く活用しよう
このページでは、FX取引における3つの注文方法である「成行注文」「指値注文」「逆指値注文」について説明してきました。
まず「成行注文」は、その時点での市場価格で取引をする方法であり、短期トレードに適した注文方法です。
一方で、「指値注文」は自分にとって有利な価格で取引するための方法です。
長期的なトレードに向いており、ポジションを保有する期間が長くなるほど、指値注文が重要になってきます。
そして、「逆指値注文」は、相場の逆行に備えて入れる注文方法であり、自分にとって不利な価格で取引するための方法です。
レンジブレイクが想定される場合に有効であり、逆指値注文を使うことで、損失を最小限に抑えることができます。
一見無駄な注文方法に思えますが、逆指値注文を使わずにトレードを行った結果、大きな損失を被るケースが多く存在します。
ですから、逆指値注文を入れることは、トレードにおいて非常に重要なことです。
こうした注文方法を理解して使い分けることで、より賢明なトレードを行うことができます。
しかし、市場は常に変化しているため、常に情報を収集し、トレンドを読み取ることが必要です。
そのためにも、市場の情報を収集し、正しいトレード方法を身につけることが求められます。
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